【浅い話も深く飾れ。】

トイレで読んでほしいエッセイです。

【浅い話も深く飾れ。】*第3話*一人っ子はクッキーが好き*

 

「一人っ子はクッキーが好きだ。」

 

あるいは

「一人っ子は牛乳に合うお菓子が好きだ」

 

と言い換えることもできる。

 

 

23年間生きてきて、一人っ子でクッキーが嫌いな人に

出会ったことがないし、

3時にソファに座りながら牛乳を片手にクッキーを食べている人は

だいたい一人っ子だと思う。

 

 

一人っ子特有の、このクッキー依存体質は、

おそらく幼少期の影響が強い。

幼少期にたくさんクッキーを摂取してきた人ほど、

大人になってからもクッキーから手が離せないのである。

 

 

ここで、代表的なお菓子、

カルビーポテトチップスコンソメパンチと森永チョコチップクッキーを比較したい。

 

 

まずはカルビーポテトチップスコンソメパンチ。

こちらは森永チョコチップクッキーよりも安価であり、さらに量も十分にある。

 

子供が多い家庭ではお菓子はあっという間になくなるため、

安価で量が多く、経済的に嬉しいカルビーポテトチップスコンソメパンチが皿に運ばれてくることが多いのではないだろうか。

 

 

また、兄弟がいるとお菓子に対して競争が生じ

「あっという間になくなる」

つまり必然的に

「ガツガツ食べる」ことになる。

 

 

ガツガツ食べることがよく似合うのも、

イメージ的にカルビーポテトチップスである。

「コンソメパンチ」は名前からして

競争感、わんぱく感が滲み出ている。

 

次に森永チョコチップクッキー。

こちらは少し値段が高く、量もそこまで多くない。

さらにガツガツした雰囲気も似合わず、

どちらかといえば、ソファに座りながら、

ゆっくり牛乳とともに食べるイメージが浮かび上がる。

 

まさに、マイペース・一人っ子向けである。

 

 

また、兄弟が多い家庭では、

大きなお皿一つのお菓子を子供たちだけで

食べることが多いと思われるが、

一方、一人っ子の場合は、親と一緒に食べることも多いのではないか。

 

そうなってくると、お菓子のチョイスも少し大人寄り、

つまりは値段が多少高くても

コーヒーによくあう森永チョコチップクッキーが出てくる傾向が

高いのだろうと推察できる。

 

 

つまり私が言いたいのは、

兄弟がいる人よりも、一人っ子は、

幼少期において、

牛乳を片手に、

誰にも邪魔をされず、

クッキーをゆっくりと食べていた過去があるのである。

時には牛乳に浸すという余裕も見せながら。

 

 

 

一人っ子はクッキーに憑りつかれているかのごとく

クッキーをやめられない。

 

気づけばスーパーのかごにはいつもクッキーが

まぎれこんでいる。

 

いつのまにか親指にはチョコチップクッキーの

茶色いチョコが付着している。

 

どうしたら抜け出せるんだろう。

どうしたら断ち切れるんだろう。

 

そんなことを考えながら、

私はいま

キーボードを叩きながら、

たっぷり牛乳に浸した

チョコチップクッキーを

ゆっくり口に運んでいる。

 

 

 

 

*今日も深く、飾らせていただきました。

 

 

 

【浅い話も深く飾れ。】では、23歳会社員(男)が日々の生活の中で感じたどうでもいいことを、盛りに盛って誇張しまくって仰々しく綴ります。暇な人だけ見てください。トイレの個室で見てください。

【浅い話も深く飾れ。】 *第2話*感情通りに身を委ねる*

 

 

 

人間には感情がある。

 

 

喜び、怒り、悲しみ、などはわかりやすいが、

その他に、恥じらい、もどかしさ、驚き、など数多くの非常に繊細な感情も持つ。

 

 

私は長年、人の感情は一体いくつあるのか、とても気になっているのだが、

今回着目したいのは、まだ名前が付けられていない感情、

 

 

“名もなき感情“

 

             

がきっと存在するはずだということである。

 

 

 

最近になって新しい元素が発見されたように、

まだ発見されていない感情・もしくは我々がまだ気づいていない感情が

きっとあるはずなのだ。

 

 

 

人はこの世界のあらゆるものに名前をつけることで、

どうにか安心感を得ようとする。

 

 

 

「あ、これは○○だよ」というように。

 

 

なぜなら我々は、人智を超える、未知の世界の中で生きているからだ。

 

そして、人は、まだ名前がないもの、正体がわからないものに出会ったとき、

戸惑いと不安を感じるのである。

 

 

        

話を戻すが、最近私はなんと、ある“名もなき感情”に出会ってしまい、

非常に戸惑ったのだ。

 

 

 

それは、深夜2時、タクシーの中で生じた。

 

 

その日も終電が無くなるまで飲んだため、私はタクシーに乗り込んだ。

 

 

車内には通常、運転手さんの名前と顔写真が公開してあるが、

さらに“趣味”まで公開してくれている非常にフレンドリーなタクシーもある。

 

 

初対面の人の趣味をこんなにも早く知ることのできる場所は

おそらく世界を見渡しても稀有で、

もしこれが合コンで、席についた途端趣味を聞いたとしたなら、

変な空気になることまず間違いないだろう。

 

 

しかし私は運転手さんの趣味が書かれたプレートを見るのは割と好きなほうで、

いつも何となくチェックしてしまう。

運転手さんの素顔・人となりが見える気がするのだ。

 

 

その日も、僕が乗ったのは、「趣味公開タクシー」だったため、

いつものように趣味が書かれたプレートに目をやった。

 

 

 

すると、そこにはなんと、

 

 

            

            

『私の趣味は、 ドライブ  です。』

 

 

 

             

と書かれてあったのである。

 

 

         

私は、その瞬間、言いようのない何か不思議な感情に襲われた。

 

 

嬉しいのでもなく、悲しいのでもなく、

ただ今私を乗せてくれている運転手さんは、

「みなさんプレートに自分の趣味を書いてください」と

言われたときに、

「ドライブ」という四文字を、

ぱっと迷いもなく書いたのか、

もしくは、悩んで悩んで、ほかに特に思い当たるものもなく、

「ド、ラ、イ、ブ」と

仕方なく書いたのかのおそらくどちらかで、

そして私は今、ドライブが趣味の方のタクシーに乗って

家までドライブ?しているわけで、

嬉しいのでもなく、悲しいのでもなく、

なんだかよくわからない感情を抱きつつ、

うっすら雪が降る冬の環状通に身を委ねながら帰ってゆくのでした。

 

 

 

 

 

*今日も、深く飾らせていただきました。

 

 

 

 

【浅い話も深く飾れ。】では、23歳会社員(男)が日々の生活の中で感じたどうでもいいことを、盛りに盛って誇張しまくって仰々しく綴ります。暇な人だけ見てください。トイレの個室で見てください。

【浅い話も深く飾れ。】*第1話*文字とトイレ*

 

 

 

世の中は文字にあふれている。


 

 

「開封後はお早めにお召し上がりください」

「生ビール込み飲み放題120分1500円」

「インスタグラムはじめました」


 

 

人は一日にどのくらいの量の文字を見るのか。

数えるとおそらく果てしない量になるだろう。

 

それくらい、日々、人は、文字から莫大な情報を得、文字に囲まれて生活している。

 

                

「読書量が減った」と叫ばれる時代だが、

現代に生きる我々は、ネット、さらには

TwitterfacebookなどのSNSを通して、

莫大な量の文字を目にし、数多の文章に接している。

 

 

それを踏まえ、今回私が主張したいのは、

「文字・文章の排便時におけるリラックス効果」

である。

 

 

先に我々は文字に囲まれて生活している、と述べたが、そんななか、例外がある。

 

 

「トイレの個室(特にお店)」である。

 


トイレの個室に文字はない。

あるとすれば、

「トイレットペーパー以外は流さないでください」

といった注意書きや、

「いつもきれいにご使用いただきありがとうございます」

といった人間の良心を揺さぶる系の超間接的な注意書きのみである。

 

 

私は、どうも昔からお店のトイレが落ち着かないのだが、

最近これはおそらくトイレにおける「文字の無さ」が大きく影響しているのではないかと考えた。

 

 

というのも、我々は普段文字に囲まれているせいで意識していないが、

いざまわりから文字が消えるとそこではじめて何か孤独の世界に放り出されたような、

不安、孤独感を感じ、落ち着かなくなるのではないだろうか。

 


トイレに漫画を持って入る人、

トイレでスマホをいじる人、

トイレに貼る相田みつをカレンダーが売れ続けること、

これらはすべてこの理由からだと考える。

 


よく通っている銭湯のトイレが落ち着くのは、

トイレの壁に、ほのぼのしたエッセイが貼られてあることが

一つの大きな要因であると僕は確信している。

 

 

しかも人間は排便時に、副交感神経を働かせる必要があるから、

「トイレの個室」では、普段よりも“リラックス”に関して

より敏感に、より繊細になるはずであり、

トイレの中での文字・文章(エッセイなどほのぼのしたものが好ましい)による

リラックス効果を顕著に感じられるのである。

 

 

 

*今日も深く、飾らせていただきました。

 

 

 

【浅い話も深く飾れ。】では、23歳会社員(男)が日々の生活の中で感じたどうでもいいことを、

盛りに盛って誇張しまくって仰々しく綴ります。暇な人だけ見てください。トイレの個室で見てくだ

さい。